「リノベーション」が日本に根付いた歴史
ひと昔前、「リフォーム」という言葉が広まりました。確か「劇的ビフォーアフター」というテレビ番組が人気となったあたりからと記憶しています。それ以前は、表す言葉が存在しないくらい、その行為自体が珍しいものでした。せいぜい、「壊れたから修繕」や「狭くなったから増築」をするくらいでした。 そしていつしか、「リノベーション」という言葉が一般的になりました。これを最初に広めはじめたのはアートアンドクラフト(https://www.a-crafts.co.jp/)やブルースタジオ(https://www.bluestudio.jp)あたりで、1990年代後半頃です。その後、そのライフスタイルに共感して同様のビジネスを仕掛けるプレーヤーが増え、それらが集まってリノベーション協議会(https://www.renovation.or.jp)が2009年に誕生したのが大きな転機でした。当時はまだ、個人や中小の会社が中心で業界のパイオニア的な雰囲気がありました。「リフォーム」との違いも明確に打ち出して、脱リフォームをうたっていました。 それから15年。テレビのバラエティ番組でリノベーションが特集されるくらい、身近な言葉になりました。しかし残念なことに、それと同時に言葉が一人歩きして、リノベーションと呼べないようなものもそう呼ばれたり、あるいは「めんどくさい」「特殊な人がやること」など、意図しない理解の仕方をされたり、ということが起こってしまったところもあります。 そのことが、詳しいレポートでまとめられているので、それを紹介します。 STOCK & RENOVATION 2024(LIFULL HOME'S 総研) https://www.homes.co.jp/souken/report/202409/ このレポートの編集長の島原万丈さんは、元々リクルート住宅総研に在籍していた頃からこのような不動産、建築業界に対する問題提起のようなレポートを度々世に出してこられた方で、今や同業他社に移籍してその志を継続している稀有な存在です。それもあって、大手企業のシンクタンクでありながら、利益誘導、忖度なしの中立客観的な内容になってると思います。リノベーションの詳しい歴史に興味がある人は、スーモ時代も含めて、バックナンバーから一読されることをおすすめします。 ライフル総研レポートのバックナンバー https://www.homes.co.jp/souken/report/ SUUMOリサーチセンター研究プロジェクト https://www.suumo-research.com/work 私も、家いちば事業を始めるにあたって、これらレポートはもちろん、そこで取り上げられている「先駆者」の人たちに会いに行って話を聞き、実例を見てたくさんのことを学びました。これから、何か志を持ってまだこの世にない新しいことをやりたいという方は必読の書となるでしょう。 (家いちばコンサルタント 藤木哲也)
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