公開Q&Aコーナー
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相続予定の建物の共有持分者に認知症の人がいます
結論から申し上げると認知症と診断がされた方は「何も判断できない」ので相続自体の放棄もできません。「成年後見制度」を利用して後見人をつける他ありません。もしも誰かが代わりに遺産分割協議書などへの署名や売買契約を締結するようなことがあれば私文書偽造になってしまいます。亡くなる前から、後見人が選任されている場合には相続発生後に後見人と遺産分割協議を行いますが、事前に後見人が設定をされていない場合には、後見人の選任を家庭裁判所に申し立てなければならず、手続きには1~3カ月ほどかかります。その人の財産権を守ることは憲法の精神にも則したものなので、認知症と診断されてしまった方の相続関係の手続きはなかなか手強い課題です。
成年後見制度は、認知症になった方の代わりに後見人が財産を管理する制度です。すでに認知症などで自身の財産管理が難しくなった方の代わりに後見人という役割の人を置き、後見人が財産管理や重要な契約などを行います。
認知症が進行する前に後見人の設定をすることは難しい時も多々あるため、多くの方がこの問題で頭を悩ませている現状があります。手間がかかるがゆえに、建物が放置されてしまいる空き家も多々あるかと思います。現状では「成年後見制度」を使うか、その方が故人になったのちに相続手続きする他はありません。このあたりは法整備を待つしかありません。
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越境していると売れませんか?
敷地から建物などの一部が隣地へはみ出す「越境」問題ですね。まず、それが理由で売ってはいけないという法律などもありませんので、売買そのものは可能です。ただし、越境したままだと「売りづらい」ということは起こり得ます。
その前に、越境によってどういう問題が起こるのか、理解しておく必要があります。まず、「越境する側」の立場からすると、ある日突然、隣地の人から「引っ込めろ」と言われてしまう可能性があります。どういう時かというと、隣地で建替えなどしようとする際に、その出っ張った部分が物理的に邪魔になるような場合です。隣地の人からすると当然の権利です。しかし、引っ込めろと言われても、庇の一部が越境してたりすると、簡単には解消できません。そのための工事に数十万かそれ以上かかってしまうかもしれません。
次に「越境される側」の立場から考えると、「時効取得」という問題があります。少し難しい法律用語ではありますが、簡単に言うと「一定期間、ある土地を自分のもののようにして使っていれば、いずれその土地は自分のものになる」というものです。もちろん、それにはいろんな条件があり、単純にそうなるものではありませんが、起こり得る話です。一定期間とは、10年とか20年とかになります。すなわち、越境部分を長期間見過ごしてしまうと、気づいたらその部分が隣地の人の土地になってしまうわけです。
いずれの場合にしても、話は簡単に進まず、紛争状態となります。弁護士や裁判所のお世話になる必要があり、それだけで費用と時間と苦労がかかります。すなわちこれらのことが、越境の「リスク」となります。これをそのまま売買しようとすると、そのリスクが買主にそのまま移転します。それを嫌がる買主がその物件を買わないか、あるいはそれに見合った値引きを要求されても文句は言えません。
そこで、この越境状態を解消する方法ですが、物理的に越境部分を解消できればそれに越したことはありませんが、現実としてはなかなか難しいことも多いでしょう。そこで、「越境の覚書(あるいは同意書)」を隣地の人と結ぶ方法があります。この覚書によって、お互いに越境状態を認める(そのままでよしとする)ことと、将来的に建替えなどする場合には解消することを書面で約束します。これによって、急に引っ込めろと言われるリスクもなくなり、時効取得されてしまうリスクもなくせます。市街地の建物密集地では、お互いに越境している「相互越境」も多いので、お互いに助かる書面となります。
さて、越境の覚書をまとめる前に、境界線を明確にする必要があります。そのため、境界の測量と「境界同意書」を作成しつつ、それらと同時にまとめることが多いです。これらの作業は土地家屋調査士に依頼すればすべてやってくれます。費用としては、20〜30万程度を基本に状況の複雑さによって費用も変わってきます。費用は多少かかりますが、その分を上回るほど売りやすくなる(すなわち高く売れる)などを考えれば、検討に値するのではないでしょうか。
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相続登記をしないと売れないと言われました
どこまで進んでいるかによりますが、基本的には、誰かが亡くなって、その不動産をその人のご家族の誰かが引き受ける(すなわち相続する)わけですが、まずは誰が相続するかをしっかり決めないといけません。遺言書などがある場合は別として、法律で優先する相続人(法定相続人)が決められています。それが複数人いる場合は、それぞれの配分比率も決められてます。
しかし、相続する資産が不動産の場合、現預金を配分するようにはいかず、また不動産を単純に共有名義にしてしまうと、将来的に相続をし続けた場合に名義人がどんどん増えてしまい、手続きも煩雑になります。そこで、親族間で話し合いをして、どの資産を誰が引き受けるかを任意で決めます(遺産分割協議)。
相続登記をする前段階として、この協議が済んでいる必要があります。相続財産が高額になれば、それを引き受ける際の「相続税」も決して少なくない金額となりますので、相続税のことまで考えながら、分割協議を進めなければなりません。たいてい、税理士などに依頼をしてまとめることが多いです。相続をしない(放棄する)という選択肢もあります。
さて、遺産分割協議も相続登記も、まだ途中だという場合でも、ほぼ確実に相続人が決まっていると言える状況なら(例えば法定相続人が自分一人しかいない場合など)、その不動産の売り出しには入っていいと思います。そのことを購入検討する買主さんにきちんとお伝えしておくことが大事です。少なくとも、相続登記などの手続きの期間分だけ、引渡しを待ってもらわないといけません。
ところで、相続登記が済んでいなくても、その不動産の所有権は、相続の瞬間(すなわち被相続人が死亡した時)からすでに相続人のものとなっています。相続登記が完了するまで、登記簿では亡くなった人の名義のままで 「相続未登記」という状態です。
しかし実は、もうとっくに亡くなってるのに相続登記をしないまま、何十年も経っている登記簿も世の中には少なくないです。もちろん「死人に所有権なし」で、実際には、その子孫にあたるどこかの誰かの名義となってるはずなのですが、それを過去から遡って調べることがなかなか困難なことです。すでに相続人が何十人となってしまっているケースもありえます。こうやって最近問題の「所有者不明問題」へと発展していきます。ですから、相続登記は速やかに行なっていきましょう。事がややこしくなってしまう前に。
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ゲストハウス手続きに検査済証と設備図面が必要と言われました
まず建築基準法の「検査済証」についてですが、昔は今よりも建築関係の手続きや役所の取り締まりが厳しくなかったので、古い建物の場合、建設当時に「確認申請」の手続きはしていても「完了検査」を受けていない(=検査済証がない)ことは割と良くあります。また長い年月の間に書類を無くしてしまうことも多いでしょう。
ゲストハウス開業にあたり、保健所手続きで「旅館業営業許可申請」を行うため添付書類として「検査済証」が必要ということかと思いますが、上記の通り書類が無い事はままありますので、買主さんの方で保健所に「検査済証は必須なのか?無い場合はどうしたら良いのか?」素直に相談してみて頂くと良いでしょう。旅館業許可の要件は都道府県ごとに微妙に異なり、建物規模によって判断が変わる場合もあるので一概には言えませんが、そもそも「検査済証」の添付を求めない自治体もあります。
また今回のケースでは、元々民宿だった建物を再利用するだけですので既に必要な基準をクリアできている可能性が高く、建築基準法の「用途変更の確認申請」も不要と思われます。保健所に相談する時に、その辺りの詳しい状況も伝えると保健所も判断がしやすいかと思います。
次に「入浴設備における湯水の供給及び排水に係る配管の系統図」についてですが、こちらは旅館業営業許可申請と並行して行う「水質汚濁防止法の届出」で提出を求められる図面になります。古い小規模な建物の場合、そもそも建設時に設備図面を作成していない事も多く、例えあったとしても設備更新で内容が変わっている可能性も高いので、旅館業に詳しい建築士さんや設備業者さんに依頼して、現況調査して新たに図面を作成する方が間違いがないかと思います。
旅館業法の許可手続きは買主さん側で行うものなので、売主さん側で用意できない(持っていない)書面についてはお渡しできなくても仕方がないものと思いますが、物件を購入してくださった買主さんがスムーズに開業できるよう、可能な範囲でご協力をして差し上げられると気持ちよく商談が進むと思います。いずれにしても、書類や図面が無くても手続きを進める方法はありますので、買主さんご本人で対応するのが難しい場合は、専門家にご相談頂くことをお勧め致します。
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売買の際に測量しないといけませんか?
まず、売買の際に必ず測量をしなければならないということはなく、そういう法律もありません。売買時には、通常は「公募売買」といって、登記簿の名義を書き替える「所有権移転」を中心に手続きが行われるため、登記簿に記載された土地面積(地積)をもって売買とし、「売買後に測量しなおして面積が増減しても、それによって売買価格の変更を要しない」という契約をします。したがいまして、過去の測量図などが正確でないとしても、それを問題としないこととされます。
もちろん、そこは契約の自由ですから、買主が「正確な測量をした後でないと買わない(実測売買)」を要求してくる場合には、話し合いが必要です。一方、売る方からすれば、そういう条件を出してこない他の買主を選ぶこともできます。これが取引きの自由というものです。
さて、ここまでは前提としての義務の有無の話をしましたが、実際にどういう場合に正確な測量が必要になるかと言えば、「何かを建てる時」です。境界が多少あいまいでも、普段暮らしている分にはあまり問題が起こりませんが、いざ、境界付近に何か塀やあるいは建物を増築などしようとすると、うっかりそれらが敷地からはみ出してしまうと、大きな問題となります。そうするとそうなる前に、境界を明確にしないといけなくなります。
境界を明確にするには、土地家屋調査士に依頼をします。調査士は現地の状況やヒアリング、登記簿の公図や道路台帳などの公的な書類などを中心にそれらの整合性を図りながら、考えうる妥当な境界線を導き出し、それを根拠に境界に接している両隣りの土地所有者同士で現地立ち会いを行い、「境界同意書」に記名捺印を揃えます。そうやって、すべての境界線について同意書が揃えば、それとその測量図との一式を持って「確定測量図」となり、これでゴールです。
これらの費用感として30万から50万で、当然敷地の規模や関係者の多さなどで変わってきます。ここで気をつけなければならないのは、同意書がなかなか全て揃わない、ということが起こり得るということです。隣地所有者と連絡が取れない、あるいは合意をしてくれない、ということもあります。そうすると、時間と費用はかけたけど確定測量図を作れなかったということになります。したがって、境界確定を進めようとする時は、そうなってしまう可能性があることも念頭において着手すべきです。売買の条件に「確定測量」がつけられた場合には要注意です。
なお、これまで家いちばで多数の物件の売買を行ってきた経験からすると、ほとんどのケースで確定測量までは必要ないというのが実際のところです。本当に必要なのは、土地の限られた都心で敷地いっぱいに建物を建てる場合、容積率や建蔽率(敷地面積に対する建物面積の割合の上限が都市計画で規制されている)もギリギリに建てることも少なくなく、その場合に、建物を建てた後に土地面積が少しでも減ってしまうと、「違法建築」となってしまいます。
こういう「容積オーバー」の建物には銀行の融資審査も厳しく、ローンが使えないということが起こります。こうなると売るときにも売りづらくなり、かなり致命傷となります。しかし反対に言えば、そうでもない場合は厳密に土地の測量は必要ないと言えます。
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耐震改修はやったほうがいいですか?
まずは「新耐震基準」で建てられているかは確認済みでしょうか。これは、築年数である程度すぐに分かるので、ネットなどで調べてみてください。それで新耐震基準ならば、ひとまず合格と考えていいでしょう。
新耐震基準でない場合は「旧耐震」と呼び、何らか対策をすべきとされます。しかし、旧耐震だから即危険というわけでもなく、建てられた当時の法規制に関わらず進んで丈夫に作られている可能性もあります。旧基準以前のずっと昔に建てられた建物が、数々の大地震に耐えて現存しているケースも珍しくありません。したがって、この先はその建物個別での診断、判断が必要となります。
そこで「耐震診断」の話となりますが、これ自体に費用がかかります。しかしたいていの市町村でこの耐震診断費用の助成制度を設けてますので、まずは役所にお問合せください。
さて、ここからが大事ですが、耐震診断をすればほぼ確実に「悪い結果」が出ることを覚悟してください。がん検診とは違います。新耐震基準の10分の1以下の強度、と診断されることも珍しくありません。それでも「即危険」ではありません。街中のほとんどの建物がその状況にあります。それが今の日本の「現実」です。
神戸の大震災の時も、多くの建物が倒壊している中で、旧耐震でも耐えた建物もありました。反対に新耐震でも損壊した建物もありました。ただし、それぞれの確率に違いはあります。そもそも、そんな直下型の大地震が自分の住む土地にいつやって来るのか、それも確率論でしかありません。
それゆえに、人生全体を俯瞰するところから考えるべきです。たとえば、リタイヤ後でこの先もずっとその建物に住み続ける可能性が低ければ、早めに新耐震基準のマンションに引っ越してしまうという選択肢もあります。反対に、これから子育てで、将来は子供に譲る予定があれば、費用をかけてでも耐震改修すべきでしょう。
さて、耐震改修をするとして、一般的な木造一軒家の構造補強工事そのもので100万、そのための診断や設計に数十万程度ですが、そのほかで意外とかかるのが、内装工事費です。それもそのはず、柱や梁を補強するのに、床や壁や天井を剥がさないといけません。剥がせばその後に復旧が必要です。そうするとついでにデザインや設備も新しくして…とそうやって工事費全体が何倍にも膨れ上がってきます。
もちろん、いろんなものが新しくなれば、建物の価値そのものが上がります。もし売却しなければならなくなった時に、工事する前の状態よりも高く売れるでしょう。それでも、数千万近い出費になる場合もあり、銀行借入も必要となり、慎重に検討したいところです。
そのため、耐震改修までやる予算と覚悟がなければ、安易な気持ちで耐震診断をすることをお勧めしません。悪い結果が出て落ち込むだけです。また、診断結果は売買時に買い手に説明する義務もあり、耐震診断をしたために売りづらくなる、ということも起こり得ます。
これから中古住宅を買おうと考えてる人も、この点は頭に入れておきましょう。耐震工事は大掛かりになるため、住みながらの工事は困難です。そのため、耐震工事をやるなら、買った後にすぐやるのがベストです。購入と同時なら、リフォーム工事費もセットでローンを組むと借りやすくなります。旧耐震の物件を買う時は、耐震費用も見込んで、その分安く買えるといいです。
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不動産投資をはじめる時に何からやればいいですか?
まずは勉強からです。おそらくすでに、書店に並ぶ不動産投資関連の書籍をいくつか読んでらっしゃるのではないでしょうか。そうするとすでにお気づきかもしれませんが、本(著者)によって言ってることが違ったりします。まずそこです。不動産にこれといった「正解」はないので、ひとつの考え方に傾倒してしまわないように注意しましょう。場合によっては、著者がやっているビジネスに寄った考え方であることも(営業的な目的である場合も)あるため、そこは一歩引いてみる必要があります。無料セミナーなどによる情報収集においても同じことが言えます。
不動産投資において、普遍的な基礎知識は、やはり「ファイナンス理論」です。投資物件を検討する際に、必ず「利回り」が出てきます。合わせて、銀行などからの借入を検討することも多いでしょう。物件情報を提供する不動産業者から営業資料でこれら数字が出されますが、それを鵜呑みにせず、自分でエクセルを使って検証できるくらいにはなっておきたいです。コンマ数パーセントの違いで判断が変わることもあります。その物件を買ってもいいのか、そのローンを組んでも大丈夫なのか、それを自分で判断できるようになってください。不動産会社の営業マンがいくら「親切」で「良心的」と感じても、100%信用しないでください。なぜならば、どれくらいのリスクをとれるか(許容できるか)などは、自分でしか分からないからです。人任せではできません。不動産会社が悪いのではありません。
次に「商売」のことを学ばないといけません。不動産投資は株式投資と違って、本質的には「不動産経営」をやるのとイコールです。賃貸マンションなら、そこに住みたいと思う「ターゲット顧客」を徹底的に分析して、支払ってくれるであろう賃料を割り出し、そのターゲットが満足する商品やサービス(不動産においては立地、空間、設備、住宅性能などがメインとなります)をマッチさせなければなりません。これらについて「管理会社」に全面的に任せるのもよいですが、うまくいかなくなってきた時には、自分で考えないといけない場面が増えてきます。それは追加投資(設備を新しくするなど)が関連し、その判断を業務委託された管理会社では十分にできないからです。「マーケティング」の基礎的なところくらいは勉強しておきたいところです。それ以前に「商売とかめんどくさい」という人には、そもそも現物の不動産投資は向きません。
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修繕費用を安く抑える方法はありますか?
不動産を所有していると、「修繕」が悩みの種となります。それをやって収入が増えるわけではないし、出ていくお金だけです。どうしても先送りになってしまい、目に見えて不具合(漏水など)が起こってから慌てて動き出す、という状況ではないでしょうか。
さて、安く抑える方法としては、①やるべきことだけやる、②工事見積りを複数社比較検討する、③ぎりぎりまでやらない、の3つがあります。
1番目の「やるべきことだけやる」ですが、例えば、外壁塗装を業者に依頼すると、「ついでに屋根改修もやりませんか?」と提案されたりします。それにも一理あります。足場を架けるので、足場を使うような工事を一緒にやってしまった方がトータルで節約になります。しかしそれをやり出すとキリがありません。換気口の交換、雨どいの交換、バルコニーの防水等々、工事費が増える一方です。これらについてバッサリと「やらない」決断を下す必要があります。反対に、シーリングの更新のように外壁の再塗装とセットでやるべき工事もあるので注意です。
次の「複数社見積り」ですが、これは本当に鉄則です。「安い業者を探してそこに頼めばいい」と安易に考えているかもしれませんが、そんな業者はありそうでありません。私のこれまでの経験でも、複数社見積りをすると「最安値」となる業者がいつも決まったところではありません。また、比較見積りの条件を揃えるなどの工夫と努力も必要です。これによって、全く同じ条件でも、見積金額に2倍くらいの開きがあるのも珍しくありません。複数社見積りを成功させるには、細かな段取りが欠かせませんが、見返りが大変大きなものです。
最後に「ギリギリまでやらない」ですが、これが一番難しいですが、究極のコストダウンです。やらなければゼロ円です。これを言い替えると「いつやるか?」ということになります。実は、外壁塗装の前に、もっと先にやるべきことがあったりします。例えば、共用部の郵便受けを新しくして利用者のセキュリティを向上させたり、エントランスの照明を明るくしたり、植栽を植え替えたり、です。こういうことはなかなか必要に迫られないため放置されがちですが、効果的に実施すれば、これにより賃料や稼働率を上げられる可能性もあります。それにより得られた収益分を将来の修繕費に回すというやり繰りも可能となります。当然、物事はそううまくはいかないものですが、考え方です。
おすすめの今やるべきこととして、「今後10年くらいのスパンでやったほうがいいこと」をすべてリストアップすることです。そして、それぞれに概算金額を調べて(ネットなどで参考単価が出てきます)、それを賃料収入と合わせた向こう10年のキャッシュフロー表(エクセルシート)に落とし込んでいきます。これらの支出を収益だけから賄えれば合格でしょう。たいていは、借入れでもしないと回せない状況になっていることも珍しくありません。お金がなければ、先送りするしかありません。そうならないように、早め早めの計画の必要性が理解できることでしょう。それが第一歩です。あるいは「あるお金で何ができるか?」を一生懸命考えることになるでしょう。大事なことは工事費をただやみくもに下げることではなく、限られた資金で物件の価値を高めて継続的に安定稼働させていく工夫であることに気づくことでしょう。
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土砂災害危険地域や、接道の問題などわからないことがたくさんあります
家いちばへのご相談をいただきありがとうございます。ご相談をいただいたような「接道」や「土砂災害警戒区域」、「既存不適格建築物」等の問題を抱えた物件でも、家いちばでは数多く売られており、実際の取引実績も多数あります。法的な問題点については、当社にて買主様に対して適切にご説明し、トラブルのないように対応を行っております。特に「土砂災害特別警戒区域内」については建物の構造に関する規制等もあるため、購入検討者様にもご理解いただいた上で商談を進めていただけるように家いちばへの掲載相談時点から当社がサポートを行います。商談成立後には法的な部分も含めた現地調査や役所調査を行った上で重要事項説明書等の契約書等作成し、買主様と売主様が双方ご納得してお取引いただけるようご説明を行わせていただきますのでご安心ください。
掲載の流れや当社のサポート体制につきましては下記URLページをご確認ください。
https://www.ieichiba.com/process
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農地の売却について
まず、念のため、市町村役所の「農業委員会」に問合せを行い、その土地が農地法の「農地」に該当するかご確認ください。農地となれば、相続以外の売買等での所有権移転に制限がかかります。すなわち、農地法に基づく許可申請が必要となります。ただし、状況によって、「非農地証明」が出され、農地でなくす方法があったり、比較的許可申請の要件が緩い場合もあり、これらについてまず、農業委員会とご相談ください。
そして、売買を予定している農地における農地法の対応は基本的には買主様次第となります。許可が下りそうな買主様を探して、連名で手続きすることが必要です。農地法の3条または5条とするか(できるか)も買主様次第となります。
最終的には所有者と買主様の両者で手続きを行う必要がありますので、予め売却する場合に必要な手続きなども確認しておかれると話がスムーズです。農業委員会に限らず、役所の見解や判断は市町村ごとに微妙に違うものですので、少し手間ではありますが、早い段階で直接確認をしておくと余計なトラブルも未然に防げると思います。