「海が好き」な人たち
夏が過ぎ、海の季節は終わりました。いや!そんなことはない。家いちばでは、年中「海」が賑わっています。 家いちばのサイトでは、売り物件を18のカテゴリーに分けてありますが、それぞれのアクセス数で一番多いのが「古民家」です(以下参照)。これはよく分かります。家いちばは古い物件がたくさん載っているサイトです。それに、どうせ田舎で住むなら古民家がいい、というニーズが多いのかもしれません。都会ではなかなか見かけないような古民家物件が豊富に掲載されています。 <人気カテゴリーランキング> 1位 古民家 28% 2位 海 17% 3位 山林 15% (※海+離島 29%) 2024年 家いちば調べ そして、次に多いのが「海」です。意外でしたか?日本人は海が好きなんだなと思います。実は「離島」というカテゴリーもあり人気で、「離島が好きな人は当然海も好き」だろうとして、この海と離島を合わせれば、古民家を抜いてトップになります。全体の3割という数字です。 日本人の「海好き」はどこから来ているのか。そもそも日本は海に囲まれた島国で、ほとんどの都道府県が海に面し、むしろそうでない県を「海なし県」と揶揄する向きもあるくらいです。栃木県、群馬県、埼玉県、山梨県、長野県、岐阜県、滋賀県、奈良県の8つの県民は、海への憧れを語り、海を有する県を素直にリスペクトします。 海に近い恩恵のひとつが「海産物」の豊富さでしょう。今でこそ、冷蔵技術と物流網の発達で日本中で新鮮な魚介を味わえますが、長い歴史の中では、かつては干物や塩漬けしか口にできなかった時代の名残が、その地域ごとの食文化に根付いています。その反動なのか、人口あたりで最も寿司店が多いのが山梨県だったりします。 東洋経済オンライン https://toyokeizai.net/articles/-/668830 もちろん、食べ物だけでなく、眺めているだけでも海には癒されます。家いちばで売れている海物件を見ていても、いわゆる「南国的な白い砂浜」だけが海ではないということが分かります。磯、岩場、漁港、絶壁、岬、入り江、港町、とさまざまです。 海は、時間帯や気候によっても表情を変えます。風の強さ、太陽の角度、空の色、それらを映し出す海というキャンバスが最高の絵画と言えます。 太古の昔にさかのぼると、日本人の多くが大陸から海を渡ってきたと言われます。その記憶が我々の血に流れているとすれば、海に対する「特別な感情」も分からなくもありませんね。 朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/sp/articles/ASP6F4FX4P6BULBJ016.html#:~:text=日本人の起源は,これまで不明だった%E3%80%82 さて、実際に海近くの物件を買った人の声を聞くと、「あえて海から少し離れた場所」を選んだそうです。やはり、台風の時の風や潮による塩害などを気にしたらしく、その代わり「歩いてふらっと息抜きで行ける距離」とのこと。このあたりのチョイスも人それぞれではないでしょうか。海との向き合い方で、その人の人生観すら垣間見えるようで面白いです。 (家いちばコンサルタント 藤木哲也)
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