祖母の思い出残る銭湯建物を保存して他の用途へ再利用
私の祖母が昭和7年に創業した築85年の銭湯ですが、祖母の死去などもあり、2013年に廃業しています。開業当時から必要最低限の手を加え、ほぼ原型を留めたまま現在に至っています。祖母の思い出のある銭湯の建物を別の用途として利用できないか初期から模索していました。地元の町おこしにもつながると考えています。収益面も含めた銭湯保存についてお知恵を拝借できればと思います。同じ土地に母屋もあり、将来的なことも考慮した計画をと考えています。また、私が離れた場所に住んでいることから、遠隔でも運営ができるようにもしなければなりません。 【物件概要】 場所:福岡県福岡市東区 土地:375.76㎡ 建物:167.59㎡ 構造:木造平屋建、築85年 用途:公衆浴場 現況:廃業 【コンサルティング内容】 歴史ある街ですが、周辺は計画道路建設や建替えが進んでしまっていて、このような古い建物は貴重なものとなっているようです。この建物を残されたいという強いご意志は理解いたしました。地域への貢献もお考えということで、素晴らしいことと思います。ただし、建物の利活用には初期および維持にある程度費用も掛かるため、ひとつの事業ととらえて、その収益性も考慮しなければ、長期的な維持保全を困難にします。赤字となって出ていく費用だけとなってしまうと続けていくのが大変になります。ご親族間でのコンセンサスを得るためにも、収益性は大事です。基本的にはしっかり賃料が得られるような事業者に対して賃貸するような形をとるのが最も標準的です。ユニークな建物であるため、うまく募集をすれば、複数の候補者が名乗りを挙げることが想像されます。したがいまして、どのような人にどのような条件でお貸しするのがよいか、方針をまとめることが大事です。場合によっては運営委託という形式も検討します。それによって、初期に整備すべき工事の内容やコストも変わってきます。 <実施内容> ・事業計画、運営者選定 ・改修企画 ・改修工事のコンストラクションマネジメント ・法規制、行政協議等 ・賃貸契約の折衝、調整 (家いちばコンサルタント 藤木哲也)
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