隣り合った二つの敷地の有効活用
元々、築古アパートを安く買って高い利回りで運用できていましたが、安く買えた理由が「接道していない」物件だったからでした。しかし長い目でこの状態を何とかしたいと考えていたところ、ちょうど隣の敷地で売りに出ていた一軒家を買うことができました。これなら、将来的に2つの敷地を一体化することで接道をクリアして再建築ができるようになりました。 さて、迷っているのが、買ったばかりの空き家状態の築古の戸建てを貸せるように修繕すべきなのか、建て替えたほうが早いのか、それならアパートとまとめて建て替えたほうがいいのか、選択肢が多すぎてどうしてよいか、なかなか決められません。 【物件概要】 場所:八王子市高尾町 土地:62.83㎡ 建物:58.36㎡(築67年) 構造:木造亜鉛メッキ鋼板ぶき2階建て 用途:居宅 【コンサルティング内容】 まず、計画の前提として、実際に建て替えができるのか詳細に調査をすべきです。法規制は接道だけではありません。インフラや隣地との越境状況も気になるところです。それがある程度分かってきたら、①戸建て敷地のみ、②アパート敷地のみ、③一体敷地の少なくとも3パターンでの建て替え計画が考えられます。前者2つの場合は、建て替えないほうの建物をどうするかも考えないといけません。また、建て替えるにしても、既存建物をそのまま活用するにしても、それぞれでの売却価格の見通しを立てておくのがよいです。仮に売る予定がない場合でも、「出口価格」を算出することで、投資した資金がどれくらいのリターンを生み出すのかを把握でき、より正確な判断が可能となります。また、最近は工事費が上がっているため、工事の時期をずらすなど、時系列的での比較検討もすべきでしょう。 (家いちばコンサルタント 藤木哲也)
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