住み替えで新築を建てるか、中古住宅を買うか
マンションリノベーションを断念 はじめは、ご自宅のマンションのリノベーションのご相談でした。ご主人用の書斎スペースを作ったりというご要望でしたが、いろいろプランを検討しはじめたところ、割りとすぐに「このマンションではやりたいことできない」という結論に至り、新居探しをすることとなりました。 どういうところに住みたいか まず、エリア探しからスタートでした。というのも、ご主人もご家族も、誰も特にどこに住みたいというのがなく、会社への通勤時間と「目の前が公園のように緑があること」くらいが希望でした。お子さんがちょうど進学のタイミングだったので、引っ越しに合わせて学校も決めるという計画となりました。さて、そうすると、候補となるエリアはほぼ無数にあります。それで、ご主人が潜在的に「こういう場所に住みたい」という思いを引き出すために、あえて、複数パターンで候補物件を挙げてみて、その物件と現地周辺の街並みなど含めて、歩き回ってみるということをやりました。逗子鎌倉エリア、横浜の相鉄線沿線、田園都市線沿線、などを見て回りました。 土地を買って家を建てることを断念 そもそも、土地を買って家を建てるのか、あるいは中古住宅を買うのか、それすら決まっていませんでした。それでも、いくつか土地物件も見て回ったのですが、「土地として一般に売りに出ている物件にはあまりいいのがない」と気づきました。確かに、土地物件は川上でハウスメーカーなどが押さえてしまうものなので、市場にはなかはかいい物件が出回らない傾向があります。それで早々に、土地を買って家を建てることをあきらめることとなりました。 中古物件の良さを見直す その一方で、中古物件については、リフォーム覚悟で買うなら、立地も眺望もよく、それに比較的安価に売られている物件も数多くあり、そこからベストな物件を探すのが近道だと確信されました。それになんといっても、すでに建物が出来上がっているものなので、日当たりや眺望などがリアルに確認できるのも安心感があるとおっしゃっていました。 住み替えのジレンマ さて、新居となる物件も決まり、具体的に進めようとする時に問題となったのが、資金繰りとスケジュールでした。実は、「住み替え」の際にかならず課題となるところです。家を買うにはたくさんのお金が必要です。たいていはローンを組みます。しかし、今住んでいる家もローンで買っていて、そのローンがまだ何千万も残っていたりして、先にその返済をしなければなりませんが、それには今の家を売ってそのお金でまかないたいところです。売ってしまうと住む家がなくなってしまうので、先に新居を確保しなければなりません。しかし、それにはお金が必要…と堂々巡りになってしまいます。そこで住み替えにはいくつかテクニックが必要です(これについては別の機会に詳しくお話しします)。 ローンも活用して思いっきりリノベーション 結果としては、新居の売主さんに協力を得て、なおかつ融資銀行からはダブルローンの了承をもらい、それによってうまく住み替えできました。さらに、新居のリフォーム資金も住宅ローンとセットで借りてやり繰りしました。リフォームの期間はすぐ引っ越しもできないので、これは、マンションの買い手さんと特別な契約方法をとり解消しました。これで課題もクリアして、あとは思いっきり新居をリノベーションしました。工事会社とは別に専門のデザイン会社にお願いして、これまでご自身が実現したかった夢をすべてぶつけてもらいました。思い残すことのない新居探しができてよかったと思います。 (家いちばコンサルタント 藤木哲也) 【物件概要】 場所:神奈川県川崎市麻生区 土地:211.11㎡ 建物:202.56㎡(築26年) 構造:木造2階建て 用途:個人住宅 デザイン監修:タクトスペースクリエイト 施工:ファーストコンストラクション 売却価格:3400万 購入価格:4350万 リノベーション工事費:1160万
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