自分でやれることは自分でやろう
ブラックボックス化する世間の流れ 世の中便利なもので、蛇口をひねれば水が出るし、スーパーに行けば食料が何でも揃います。しかしその影には、浄水場で働く人や野菜や肉を運ぶ人、さらにはそれらを生産する農家など、我々は日々たくさんの人に支えられながら生きています。とてもありがたいことですが、一方でこれらが全て「ブラックボックス化」している現実もあります。店で売られている食品が本当に安全なのか、正直よく分かりません。そのため、さまざまな法律や規制があって、「消費者」が守られていることになっていますが、その実態もよく分かりません。もういちいち疑っていては生きていけないので、諦めもあるし、それが当たり前になっているのが現状でしょう。同じことが「家」についても言えます。 自分の家のことをどれだけ知っているか 家を買うか建てるかして新居を手に入れた人も、それが作られたプロセスを一部始終見て知っているという人は極めて稀でしょう。普段過ごしているリビングルームの壁や天井の裏側がどうなっているかすら知らずに暮らしているものです。そういった建物の構造の話だけでなく、家など「不動産」には、さまざまな権利関係や法規制など、見えない制約もたくさんかかっています。自然災害のようなリスクもありますし、それに対する保険などもかけらていることが一般的です。たぶん「何となく大丈夫だろう」くらいの認識で、それらの詳しいところまでは正直あまりよく分かっていない人がほとんどでしょう。はたして、それでよいのでしょうか?不動産は金額も大きいし、時として人生を大きく左右するものでもあるため、多少は気をつけて知っておくのもわるくないと思います。 せっかくの「学ぶ機会」を活かそう そこでお勧めするのが、「自分でやれることは自分でやろう」です。せめてその家を買うか建てるかする時だけでも、その精神で臨んでみるといいです。幸い、今みなさんがご覧になっている「家いちば」が、まさしく自分の力で家を売ったり買ったりするサイトとなっています。従来であれば、不動産の売買の際に不動産屋さんにすべてをお願いするものですが、それをある程度は自分でやってみようという仕組みになっています。自分でやるには、いろいろ自分で調べたり、それを相手に説明したりしなければなりません。とても苦労もあるかもしれません。しかし、そこで得られる「学び」は、その苦労をはるかに上回るものだと断言します。不動産屋にお任せでは、せっかくの学ぶ機会を逃してしまうことになります。それはもったいないです。不動産を売り買いするのが人生で一度きりではないはずです。そこで得た学びが次に活かされます。それだけで、経済的にも大きな見返りがあることは言うまでもありません。 (家いちばコンサルタント 藤木哲也)
- 1996
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