不動産を直接売り買いする人たちの掲示板「家いちば」

公開Q&Aコーナー

kazuさん
40代 男性
売買の際に測量しないといけませんか?
売買
登記
土地
2024年09月19日
248
3
Q)
家や土地を売るときに測量しないといけないと言われましたが、どうしたらよいですか?
A)
まず、売買の際に必ず測量をしなければならないということはなく、そういう法律もありません。売買時には、通常は「公募売買」といって、登記簿の名義を書き替える「所有権移転」を中心に手続きが行われるため、登記簿に記載された土地面積(地積)をもって売買とし、「売買後に測量しなおして面積が増減しても、それによって売買価格の変更を要しない」という契約をします。したがいまして、過去の測量図などが正確でないとしても、それを問題としないこととされます。 もちろん、そこは契約の自由ですから、買主が「正確な測量をした後でないと買わない(実測売買)」を要求してくる場合には、話し合いが必要です。一方、売る方からすれば、そういう条件を出してこない他の買主を選ぶこともできます。これが取引きの自由というものです。 さて、ここまでは前提としての義務の有無の話をしましたが、実際にどういう場合に正確な測量が必要になるかと言えば、「何かを建てる時」です。境界が多少あいまいでも、普段暮らしている分にはあまり問題が起こりませんが、いざ、境界付近に何か塀やあるいは建物を増築などしようとすると、うっかりそれらが敷地からはみ出してしまうと、大きな問題となります。そうするとそうなる前に、境界を明確にしないといけなくなります。 境界を明確にするには、土地家屋調査士に依頼をします。調査士は現地の状況やヒアリング、登記簿の公図や道路台帳などの公的な書類などを中心にそれらの整合性を図りながら、考えうる妥当な境界線を導き出し、それを根拠に境界に接している両隣りの土地所有者同士で現地立ち会いを行い、「境界同意書」に記名捺印を揃えます。そうやって、すべての境界線について同意書が揃えば、それとその測量図との一式を持って「確定測量図」となり、これでゴールです。 これらの費用感として30万から50万で、当然敷地の規模や関係者の多さなどで変わってきます。ここで気をつけなければならないのは、同意書がなかなか全て揃わない、ということが起こり得るということです。隣地所有者と連絡が取れない、あるいは合意をしてくれない、ということもあります。そうすると、時間と費用はかけたけど確定測量図を作れなかったということになります。したがって、境界確定を進めようとする時は、そうなってしまう可能性があることも念頭において着手すべきです。売買の条件に「確定測量」がつけられた場合には要注意です。 なお、これまで家いちばで多数の物件の売買を行ってきた経験からすると、ほとんどのケースで確定測量までは必要ないというのが実際のところです。本当に必要なのは、土地の限られた都心で敷地いっぱいに建物を建てる場合、容積率や建蔽率(敷地面積に対する建物面積の割合の上限が都市計画で規制されている)もギリギリに建てることも少なくなく、その場合に、建物を建てた後に土地面積が少しでも減ってしまうと、「違法建築」となってしまいます。 こういう「容積オーバー」の建物には銀行の融資審査も厳しく、ローンが使えないということが起こります。こうなると売るときにも売りづらくなり、かなり致命傷となります。しかし反対に言えば、そうでもない場合は厳密に土地の測量は必要ないと言えます。
家いちばコンサルタント 藤木 哲也
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