家いちばは「山いちば」?
「空き家のサイト」とよく言われる家いちばですが、土地物件もよく売れていて、売買される20パーセントほどが土地のみの案件です。過去の記事でも 「海が人気」な話(https://ieichiba.com/blog/519)はしましたが、このランキングの3位に上がる「山林」カテゴリーも気になるところです。 「山林」売ります掲示板 https://ieichiba.com/category/山林 なぜ山林の所有者となったのか 売られている山林物件を見てみると、1ヘクタール(1万㎡)を超えるのも珍しくありません。100メートルの正方形が1万㎡ですから、公式なサッカーコート並みの大きさを超える広さです。まず気になるのが、「どうして山林なんか持ってるんですか?」という売主に対する疑問です。山を持たざる者からすると不思議に思います。多くは相続です。古くから林業も営む農家やあるいは借金のカタで山林が取引されるなどしてあちこちに山林土地を所有しているケースも珍しくありません。 山林の多くを民間が所有している 実は、国内の森林の大部分の6割が民間が所有しています。国土の3分の2が森林ですから、広大な森林面積を民間が所有していることになりなります。 森林産業の現状と課題(林野庁) https://www.rinya.maff.go.jp/j/rinsei/singikai/attach/pdf/170214si-10.pdf 日本国の象徴である富士山の土地の大部分を民間(浅間神社)が所有していることも有名な話です。基本的に山林の売買には法規制がないため、これら広大な土地が外国人の手に渡ってしまったら、国防上の問題とならないか、議論されているところです。 山林を買ってどうするのか さて、そのような大げさな話は置いておいて、家いちばの買い手さんがどういう目的で広大な山林を買っているのか見てみましょう。 「プライベートのキャンプ場にする」 「きのこ栽培をする」 「なんとなく持ってみたかったから」 など様々です。中には、グランピング施設として整備して、事業を立ち上げた本格的な買主さんもいました。 MIDORITO SAUNA https://midorito-sauna.jp/ 印象に残るのが、「かつては不登校児だった自分のような若者が、自然の中で自分を取り戻せるような場所にしたい」と考えて広大な山林を買った買主さんです。見たところ何の変哲もない小高い山でしかなく、周辺は田んぼしかないような何もないところでした。しかし、その人の目には、違う世界が見えているようでした。 誰のものか分からなくなってしまった土地問題の解決に 世間では「所有者不明土地問題」として、相続もされずに誰のものかも分からなくなってしまった土地が北海道の面積ほどあるとして、これも議論されています。そうやって、嫌われ者のようになってしまった広大な「いらない土地」ですが、家いちばでの事例のように「ほしい」「夢を実現させたい」という人たちが少なからずいるわけで、そこに一筋の光明を見出す思いがします。 (家いちばコンサルタント 藤木哲也)
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