伝統構法で建てた自然素材の家、暖房は薪ストーブです
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下総国の香取(佐原)の西部、大戸は縄文時代、香取海(かとりのうみ)と称する内海の沿岸部にあって漁猟が営まれ、ここでは貝塚や古墳が発見されています。大和朝廷が日本を統一する際、香取神宮は東の最前基地でした。鎌倉時代になると大戸には荘園ができ、鴇崎城が築かれました。江戸時代に利根川東遷による舟運の中継地として栄えた佐原の小野川沿いには、小江戸とも呼ばれる当時の町並みが残っています。香取市は水郷筑波国定公園の区域に属し、大戸には里山・田園風景が広がっています。 木組み・土壁・石場建ての伝統構法で建てた家は、2003年4月、大戸に竣工しました。無垢の木と自然素材の家です。木材はすべて栗駒山の燻煙乾燥材を用い、気仙大工が自ら刻んだ材を組み上げました(写真)。 田の字構造の中心の大黒柱は栗の木の尺柱、周囲の柱は八寸の杉柱です。梁や足固めのほぞを柱に突きさして栓をしてとめ、火打はありません。柱は通し貫をくさびで固め、筋違はありません。 礎石は御影石の切り石、柱は石の上に置くだけの石場建て、地表から1尺の高さのコンクリート基壇の中心と周囲に固定した礎石の上に柱脚は立っています。床下には大人が入り込むのに十分な程度の床の高さがあります。犬走りは粘土と石灰とにがりを混ぜて叩きしめた三和土です。 壁下地は割った竹で小舞を掻き柱の芯で納めてあり、内外とも柱を見せる真壁です(写真)。土壁は、荒壁塗り、ムラ直し、中塗り、内壁は半田仕上げ、外壁二階部分は漆喰仕上げとなっています。一階外壁と二階南側外壁は下見板張りです。建物西側の水回りの壁は内外とも杉板張りです。外壁の下見板張りや縦板張り、屋外に露出した柱や梁には、黒ベンガラを柿渋で溶いて塗ってあります。 屋根は置き屋根形式で、二重構造の屋根の間には向こうが見えるほどの大きな隙間があります。日傘のような大屋根は夏の日差しを遮るうえで大きな効果があります。屋根および水回りの断熱にはフォレストボードを使用しています。 暖房は薪ストーブ(ペレットも使用できるハイブリッドストーブ)で賄っています。浴槽は鋳物ホーローです。窓や戸はヒメコマツ無垢木製建具です。 フクロウやトラフズクが鳴く裏山では貝塚の露出が見られます。JR成田線大戸駅まで徒歩5分ほど、小、中学校も徒歩5分ほどの圏内にあり、また成田空港へは車で30分位です。お引き渡し時期はご相談に応じます。
【物件概要】※古屋付土地(現状渡し)となります 場所:千葉県香取市大戸 土地:宅地 707.43㎡、山林 836.00㎡ 建物:居宅 96.94㎡、倉庫 9.72㎡ 構造:木造伝統構法(居宅)、木造在来軸組構法(倉庫) 現況:居住中