不動産を直接売り買いする人たちの掲示板「家いちば」

保健室だより

不動産の勉強をするなら何からはじめるか?

学びのきっかけはさまざま 不動産を学びたいという動機ですが、不動産投資をしてお金儲けをしたいのか、不動産に関する事業をはじめたいとか、あるいは純粋な興味の対象なのか、様々あるでしょう。Netflixの「地面師たち」を観て不動産の世界に興味を持った若い人もいるかもしれませんね。 不動産の正体は「権利」 まずは、不動産とは何か?です。ひとことで言えば「権利」です。主には、「所有権」です。日本では土地にも建物にも、個人の所有権が認められます(国によってそうでない場合もあります)。言い方を変えると、土地も建物も「誰か」所有者がいます。この権利がとても強いもので、所有権さえあれば、その所有者が自由に使い、改良し、処分することができます。そこから生み出される収益(収穫)を得る権利もあります。その絶対的な「占有感」が、不動産の魔力とも言える魅力なのかもしれません。ここから、ドラマのような悲劇も起こります。 権利とセットで義務や責任もつきまとう 絶対的な権利の一方で、「義務」や「責任」も与えられます。自分の不動産を好きなように使えるものの、法律は守らなければなりません。法規制によってやっていいこと、ダメなことが決まってます。また、その不動産によって危害を受けた人(例えば看板が落ちて通行人が怪我をしたなど)から損害請求を受けたりもします。固定資産税という税金もあって、所有してるだけでお金が出ていきます。 登記簿にひそむ亡霊 この権利と義務の表裏一体感が「不動産」を悩ましい存在にさせます。そもそもその「権利」が目に見えないものであるがゆえに、一層複雑になります。そこで、「登記」という制度があるわけです。法務局に保管される登記簿を見ることによって、その土地や建物が誰のものなのか、誰もが閲覧することができます。 しかし、ここに落とし穴があって、登記簿の内容が古いままとなっていて、現実と合ってないということが、ごく普通にあります。さすがに名義そのものが怪しいケースはあまり多くはありませんが、その権利の「範囲」については不明確なことがほとんどです。すなわち「境界」の問題です。または、登記簿の建物がすでに解体されてなくなってるのに登記されたままになっている(滅失未登記)もとても多いです。まるで亡霊のようです。これらの本質的な問題として登記制度の「申請主義」があり、所有者から申請がなければ原則そのままとなってしまってるわけです。こういった状況が「地面師」などが入り込む隙の原因にもなっています。 大きなお金と出ていくお金 さて、「権利」として大きいものとして、その不動産を売ることでお金が得られることです。ものによっては何千万、何億円という大金になります。もちろん、その不動産を手に入れるのにすでに大金をはたいていることがほとんどでしょうから、少なくともその価値を落とさないように気を使わないといけません。年々、不動産の相場は動きます。日本全体で見れば、地価がどんどん下がってます。建物に関しては「減価償却」という概念があって毎年価値が下落します。そうでなくても自然現象による劣化が進み大きな修繕費がかかることもあります。これらは目に見えないお金の流れです。統計的には建設費の2〜4%のお金が毎年出ていくと言われます。工事費2000万で建てた家なら、毎年40万ほどになります。少なくない支出です。 まずは宅建士の勉強がおすすめ このように不動産を「権利」の側面で見ても、その奥深さがよく分かったと思います。まず、その入り口としては、やはり宅建士資格の勉強をするのが一番手取り早いです。民法や都市計画法、宅建業法、借地借家法などの基本的な法律をさらっと学べます。これらが不動産の権利と義務を理解する基礎になります。これと並行してファイナンスの勉強もしておきたいところです。さらに、建築やまちづくりなどにも興味対象を広げるとなおよしです。限られた資金を効果的に使って不動産の価値をいかに高めるか、そのためにこれらの知識が不可欠なものです。 (家いちばコンサルタント 藤木哲也)

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